作品の変遷

造形シリーズ

【1】心の抽象
1
「くり返された行為が」
自己の思いを造形するために乾漆技法にて抽象形態を作る。
球体から角に変化していく動きを造形する。
黒のつや消しやマット面と艶のある面にて画面に変化をつける。
【2】 昆虫の形
2
「The shadow of beetle」
カブトムシを乾漆技法にて造る。
影や引っ張った糸などとの風景を作り出す。
幼少時の記憶を造形することで、自己の夢を確認する。
【3】遺跡の印象
3 4
「柱礎」 「ピラミス・嵩峻」
マヤ、アステカの遺跡の印象を造形する。
乾漆にて造形し、黒艶有りの仕上げとし、金属の質を対照に使う。
エジプト遺跡シリーズより木胎とする。
黒の艶有りと艶消し、金属の質感を対照的に扱う。
造形の基本を三角と四角とし対比的な造形構成とする。
【4】宇宙空間
5 6
「極空間」 「環・天河」
エジプト、ギリシャの遺跡地を歩いていた時に、見上げた天空の煌めきに、強く心を奪われた。それまで作っていた造形物は四角や三角であったが、天円四方という言葉を元にして、造形の基本を丸と円にした。蒔絵と螺鈿、平文を併用し、宇宙空間の星空を造形する。
【5】日本の四季
7 8
「春・漂う」 「秋 映ゆる」
ヨーロッパに行く前の3年半の間、日本の四季を造形することを試みる。
春=銀色に淡い桃色とブルー、夏=金の葉の模様と緑、秋=荒い金粉と朱漆、
冬=雪の結晶と黒の立体を4点つくる。
壁面を3点作り、風景と空との融合を試みる。
【6】日本の形
9 10
「天空の扉」 「桜舞う門」
ヨーロッパより帰国後2年間に渡り、日本の形を造形する。
滞在中に考えていたのは、日本の文化論と空間処理であった。
日本の門の造形の上にシンメトリックを崩す模様をつける。
【7】神話時代
11 (2) 12
「刻を運ぶ船」 「行き来する鳥」
船と鳥は、世界中の神話の中でこの世とあの世を結ぶ物である。
下の丸い舟形の造形の上に、鳥をイメージさせるために、羽の
蒔絵をする。
世界中の神話を読んでいる中で自己の形を見つけ出した。
重ね研ぎ出し蒔絵の技法を開発し、重なった世界を表出する。
【8】建築と月のある形
13 (2) 14 15
「舞いおりる月」 「記憶をつなぐ刻(とき)」 「星流る刻(とき)」
月と風景を造形し、建築物と組み合わせる。
構造物を自立させるために、床面からの一体化した造形を試みる。
建物の上に月があった作品から、床面に月を置く作品までを展開する。
色の中に基調色を作り、全面を金色で覆う。
この頃から、画面に油滴天目状の効果を狙った仕上げを試みる。
【9】建築と間
16 (2) 17
「蒼(あお)い刻(とき)・光満ちる」 「蒼く光る頃」
建築物を表現するのに、周りの空気を作りながら、建物自体は、空間として開ける。
塊としての世界と開いた世界が組み合わさり、金を蒔くことによって、奥行きある空間を作る。

蒔絵の箱

18 19
「花あかり・花の舞・花便り」 「宙(そら)にはばたく」
20 21
「銀河の泉」 「銀河の泉」内部
9歳の時に始めた木を彫るシリーズを展開する。
桧を手彫りして揺れる箱シリーズを作る。
合口ある箱を彫り出す楽しさは、造形の基本である。
初期の作品は面によって世界を分けて、構成する。
近年は羽根や木立などを研ぎ出し蒔絵技法で表す。

蒔絵の壁面

22 23
「秋彩星流」 「黄金郷遠景」
研ぎ出し蒔絵、重ね研ぎ出し蒔絵、
色研ぎ出し蒔絵などと共に立体化した構造物と壁面を組み合わせる。
和紙や金属などと組み合わせた壁面も模索する。

蒔絵の器シリーズ

24 25
「暁(あかつき)に祈る」 「太古の刻(とき)」
初期は自ら轆轤造形した回転体の上に蒔絵をしていたが、近年は手彫りした作品に蒔絵を施す。
蒔絵の技法は重ね研ぎ出しを主体に色彩豊かな画面を作る。